赤黒一双茶碗
作者 了入(楽家九代) (1756〜1834年)
赤 8.0×11.5×11.5cm 黒 8.0×12.0×12.0cm
九代了入は、楽家中興の名工と称され、へら使いにすぐれ、
かけ分け技法を創案する。この茶碗は晩年の作。
黒茶碗は特色の幕釉と蛇蝎釉が施され、口造りも五岳になっており、
高台も土見せになっている。赤茶碗も、黒茶碗と相対的で、
赤釉の中に窯変に依り黄色が生じ、形態もよく、一双入としては
名碗であり、了入快心の作である。その時の表千家家元了々斎宗匠が
特に、黒茶碗に残菊、赤茶碗に花衣と銘を付けている。
了入は了々斎宗匠より、了の一字を贈られ、了入と号した程名手である。